フィリピンはインドネシア、ベトナムとともにASEANで最も勢いのある国の一つです。
一人当たりGDPの水準は1970年代前半というレベルです。一番勢いのある経済水準で今後が期待できますね。

ではフィリピンの株式投資自体は魅力的なのでしょうか?
本日はフィリピンの経済構造を紐解いた上で、
- フィリピン株の魅力
- フィリピン株の購入方法
- 本当におすすめの新興国株式投資手法
をお伝えしていきたいと思います。
〜もくじ〜
フィリピンの経済の潜在性は魅力的
まずは重要なフィリピンの経済環境について見ていきたいと思います。
フィリピンの経済成長率は高水準
以下はASEANのライバルであるベトナムとインドネシアと、インド並びに日本との経済成長率の比較です。

インドネシアよりも基本的に高く、ベトナムと互している感じですね。
コロナショックでもなんとかプラス圏を維持しており、2021年度は急回復することが見込まれています。
人口ピラミッドは理想的な形状
今後の経済の成長をみるために一番重要なのは人口です。
日本の高度経済成長期も人口爆発によって齎されました。人口の増加を見る上で重要なのが人口ピラミッドです。
以下はフィリピンの人口ピラミッドですが綺麗なピラミッド構造となっています。

現在の人口も1億1000万人と非常に多いのですが、2070年には1億5000万人になることが見込まれています。
需要面からみた経済構造
次に経済構造を需要面と供給面から見てきましょう。
まずは需要面ですが、2020年はコロナショックで特別として通常の年は個人消費の伸びが牽引しています。
個人消費が経済成長を索引するのは最も健全な成長です。以前は高かった資本投資による経済成長引き上げが小さくなってきているのはポジティブ要素といえるでしょう。

次に供給側について見ていきましょう。フィリピンの成長を索引しているにはサービス業ということになります。
この水準なら鉱工業かと思っていましたが意外ですね。先進国型の成長になっていることになり安定感がありますね。

フィリピンの貿易相手国は日米中に偏重
以下はフィリピンの貿易相手国を外務省データを元にまとめたものです。
輸入は中国と日本で30%をしめています。

フィリピンの輸出国は日米で36%となっています。日本は輸出入でフィリピンにとって非常に重要な貿易相手国なのです。

日本、米国、中国の世界の大国と貿易しているため、世界経済の影響をダイレクトに受ける経済構造ということもできますね。
フィリピンの株式市場は魅力的?
経済環境は魅力的でしたが、フィリピンの株式市場はどうなのでしょうか?
以下はフィリピン版の日経平均株価の推移は以下となります。成長し続けている経済に比して2015年以降、フィリピン総合指数は横ばいで推移しコロナショックで暴落しています。
以下は日経平均株価との比較ですが、殆ど成長していない日本の株価指数に対しても低い成績となっています。

必ずしも経済の成長と株価は一致しないのです。
株価が上昇する銘柄の特徴として以下の点が挙げられます。
- 国民が自国の株を購入する余裕がでてきている経済水準
- 海外からの資金が入る環境が整っている
日本の株価が大きく上昇した1980年の1人あたりGDPは約1万ドルでした。
一方、現在のフィリピンの1人あたりGDPは3000ドルという水準です。年収30万円の水準ではまだ余裕がなく、とても株式を購入することができないのです。
フィリピン国民が投資する余裕ができるまで、まだ20年近くの時を要すると考えられます。
コラム:フィリピンペソ円の為替レートにも注意しよう
フィリピン株に投資する際には当然、フィリピンペソ円のレートが重要になってきます。以下は過去10年間のフィリピンペソ円レートです。

1PHPは1.8円から2.8円まで大きな幅を持って上下しています。景気が悪くなると円高の方向にいき、良くなると円安の方向にいく傾向はドル円と似ていますね。
景気が悪くなると、新興国から資金が引き上げられて新興国の株価は下落します。
更に同時に新興国通貨も売り込まれます。
フィリピンペソ円レートが円高に傾くことで更にリターンが悪化する可能性があるのです。
フィリピン株の購入方法とは?
また、現在日本の主要証券会社からフィリピン株を購入することができません。唯一アイザワ証券で購入することができます。
現在フィリピン株時価総額が高い銘柄を含めて約75銘柄に対してアクセスすることができます。

ただ、インターネットでの取引手数料でも1.65%かかり、売買往復で3.3%という手数料になります。日本株のネット証券の手数料は0.1%程度なので著しく高い手数料を支払う必要があるということになります。
インターネット・モバイル発注 | 売買代金の 1.65% |
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コールセンター発注 | 売買代金の 1.98% |
コンサルネット発注 | 売買代金の 2.20% |
更にフィリピンペソの為替手数料は7銭必要となり、往復6%-7%という水準となります。合計で10%以上上昇しないと利益を得られない仕組みになっているのです。
一方、大手ネット証券からはフィリピン株の投資信託を購入することができます。例えば楽天証券を通して購入できる投資信託は以下があります。
- フィリピン株ファンド
- フィリピン株式ファンド
- イーストスプリング・フィリピン株式オープン
ただ、全てアクティブ型ファンドであるため、手数料は高く尚且つリターンも元本割れとなっており投資対象として魅力的とはいえません。
おすすめの新興国株投資を紹介
フィリピンは経済自体は成長力が高いのですが、残念ながら株式への投資が魅力的な水準ではありません。本当に魅力的な新興国は以下の条件を満たすのような国です。
- 国民が自国の株を購入する余裕がでてきている経済水準
- 海外からの資金が入る環境が整っている
- 今後ポジティブなニュースが発生する確度が高い
筆者は上記の条件を満たす新興国株に投資をしてコロナショックで世界中が大きな損失を抱えるなか、円建てで20%以上のリターンを獲得することに成功しています。
以下で、魅力的な新興国株投資先についてお伝えしていますので参考にしていただければと思います。

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