投資をしている方の中でもなかなかヘッジファンドという選択肢にたどり着かれている方は多くないのではないでしょうか?
何だか怪しいと思って嫌煙されている方も多いことかと思います。そもそも何が他のファンドと違うかを理解するのも難しい点ですよね。
当カテゴリーはヘッジファンドというファンド形態に親しみがない方に向けて、簡単に且つわかりやすく以下の点をお伝えしていきたいと思います。
- そもそもヘッジファンドってどんなファンド?
- ヘッジファンドの海外での受け止められ方
- 日本のヘッジファンドの現状
- 和製ヘッジファンドで優秀なものはある?
そもそもヘッジファンドとは?
まずはヘッジファンドとはどのようなファンドなのかという点についてお伝えしていきます。ファンドというのは広く投資家から資金を集めて金融市場に投資をする形態のことを言います。
一言にファンドといっても様々なファンドがあります。大きくわけて銀行や金融機関が大々的に宣伝を行なっている公募ファンドと私募ファンドに分かれます。
→ 【プライベートファンドとは?】私募ファンドと公募ファンドの違いを両者を比較しながらわかりやすく解説する!
公募ファンドの代表例が投資信託であり、私募ファンドの代表例がヘッジファンドです。
私募ファンドは年金基金や保険会社のような機関投資家や富裕層のみに門戸が開かれており、プレミアムなファンドとなっています。
近年、後述しますが成績が堅調であることもあり私募ファンドへの投資残高は日本でも右肩上がりに増加しています。欧米はさらに進んでおり一般的にも広く認識されています。
投資信託は投資対象については投資家が選別しないといけません。日本株に投資するのか、海外株に投資するのか、債券、金など他の資産に投資するかを選ぶのは投資家自身なのです。
しかし、ヘッジファンドは一流のプロのファンドマネージャーに運用を一任することができます。ファンドマネージャーのその時の判断で投資対象を自動で組み替えてくれます。
そのため、ヘッジファンドはどのような局面でも収益獲得を命題とする絶対収益型投資ファンドと言われます。
その他にもヘッジファンドと投資信託の違いについては以下で詳しくお伝えしていますので参考にして頂ければと思います。
→ ヘッジファンドと投資信託の違いについてわかりやすく解説!
→ ヘッジファンドの成功報酬型手数料体系を投資信託と比較しながら解説する!
ヘッジファンドが注目を集めている理由
ヘッジファンドが注目を集めている背景についてお伝えしていきます。
下落耐性に強く優れたパフォーマンスを出している
まずは何と言ってもヘッジファンドのリスクリターンが他のアセットクラスに比べて優れていることが挙げられます。
投資におけるリスクというのは価格変動幅のことで平均リターンからのブレ幅が小さい方がリスクが低いと言われます。
詳しいリスクの捉え方については以下の記事を参照していただければと思います、
→ 【ハイリスクハイリターン投資とは?】投資におけるリスクを理解してローリスクミドルリターン以上の資産に投資をしよう!
以下はアセットクラス毎のリスクリターンです。
ヘッジファンドは最も高い平均リターンであるにも関わらず、リスクは7%と現金預金につぐ低さを誇っています。
リターンが8%でリスクが7%とすると今後1年間に期待できるリターンは確率毎に以下の通りとなります。
平均リターン8%から±7%の1%-15%に収まる確率が約68%
平均リターン8%から±7%×2の▲6%-22%に収まる確率が約95%
平均リターン8%から±7%×3の▲13%-29%に収まる確率が約99.7%
つまり、ほとんど下落する可能性がすくなく大きく資産を伸ばす可能性があるということです。
実際、以下の通りヘッジファンドは2000年代初頭のITバブルやリーマンショックでの損失をミニマイズしながら市場平均よりも高いパフォーマンスを叩き出しています。
著名な機関投資家も取り入れている
海外では著名な機関投資家もヘッジファンドを主軸に添えています。代表的な例でいうと米一流大学のハーバード大学の年金基金です。
米国の大学の年金基金はエンダウメントと呼ばれています。以下はポートフォリオの内容ですが、ヘッジファンドが最大ポーションの3分の1を占めています。
資産項目 | 資産分散割合 |
ヘッジファンド | 33.00% |
上場株 | 26.00% |
PEファンド | 20.00% |
不動産 | 8.00% |
債券 | 6.00% |
コモディティ | 4.00% |
現金 | 2.00% |
その他 | 1.00% |
3番目に来ているPEファンドもヘッジファンドと同じく私募ファンドの一形態です。成熟した未公開株に投資をして、経営改革を行い価値を引き上げた上で売却で利益を得る形態のファンドです。
→ 【ハゲタカファンドとは?】ヘッジファンドとPEファンドと比較しながらわかりやすく解説する!
ヘッジファンドの種類
一言にヘッジファンドといっても様々な戦略が存在します。
ヘッジファンドと聞くと、レバレッジをかけたり空売りをしたりとリスクを取っているファンドが多いという印象がありますがそれだけではありません。
空売りを活用するのは相場志向型といわれるものでヘッジファンドの一部です。
経済動向を分析してポジションを取ったり、新興国に投資したり、イベントを利用して投資する手法をとっているヘッジファンドも存在しています。
海外ヘッジファンドの成績
ヘッジファンドは海外発祥ということもあり著名なファンドが多く存在しています。代表例がジェームズ・シモンズによって運営されるルネサンステクノロジーですね。
ルネッサンスは数学、物理、天文学など様々な専門家がマーケットから規則性を見つけて投資を実行しています。
→ クオンツファンド「ルネッサンステクノロジー」を運営するジェームズ・シモンズについてわかりやすく解説する!
ルネッサンスのような卓越したファンドに投資したいと考える投資家の方も多いでしょうが現実的には不可能です。
最低投資金額が5億円以上のものが殆どで超富裕層か機関投資家にしか門戸を開いていないのです。
確かに海外のヘッジファンドの成績は全体として以下の通りとなっています。
素晴らしい成績ではあるのですが、日本のヘッジファンドで敷居が低いものでも海外よりも素晴らしい成績を残しているものも存在しています。
→ 投資家視点で優良ヘッジファンドの見分け方をわかりやすく解説する!海外ヘッジファンドとの比較も通じて優秀なファンドを紹介する。
次項で日本でも素晴らしい成績を出している和製ヘッジファンドについてお伝えしていきたいと思います。
海外に劣らない日本のヘッジファンドとは?
日本にも海外に負けず劣らずの優良ヘッジファンドがあります。以下では実際に筆者も投資しているファンドについてお伝えしていきます。
BMキャピタル(BM CAPITAL)
BMキャピタルは2013年から運用を開始している老舗のヘッジファンドであり、筆者のポートフォリオの主軸を占めています。
強みは下落耐性の強さで過去1度もマイナスの運用実績となった年がなく、年率10%程度の運用成績を安定的に出してくれています。
→ コロナでも無傷と評判の和製ヘッジファンド「BMキャピタル(CAPITAL)」ってどんなヘッジファンドなのか?形態や運用手法・成績を踏まえて詳しく解説する!
基本の投資手法はベンジャミングレアムを本流とするネットネット株です。企業の財務諸表を精査して安全域の高い下落耐性が強い銘柄に投資を行なっていきます。
→ 【ネットネット株とは?】ベンジャミン・グレアムが編み出した本格的なバリュー株投資手法をわかりやすく解説する!
バリュー株投資だけでなく適切な資金管理や、金などの旬な投資先への投資を通じて安全性を確保しながら素晴らしい成績を叩き出しています。
→ コロナショックを無傷の理由とは?BMキャピタルの堅実な利回りを継続する運用手法を事例を通じて紐解く!
また日本のヘッジファンドは最低出資額が基本的には1000万円以上に設定されています。BMキャピタルも基本は1000万円に設定していますが、場合によっては1000万円未満でも投資することが可能です。
以下で詳しく説明していますので参考にしていただければと思います
→ BMキャピタルに出資をする方法とは?最低出資額の1000万円は必ずしも必要条件なのかという点についてもお伝えする。
フロンティアキャピタル(Frontier Capital)
フロンティアはエマージング・マーケット戦略を取っている新興国株式ヘッジファンドです。コロナショックの中でも円建で年率20%のリターンを叩き出し評判を読んでいます。
通常新興国株式は先進国株式の影響を大きく受けます。以下の通り新興国株式のインデックス(VWO)は米国株や全世界株インデックスと同様の値動きとなります。
VWO:新興国株式インデックス
VOO:米国S&P500インデックス
VT:全世界株式インデックス
→ 評判のVWOとEEMを比較!新興国インデックスETFはおすすめできるのか?構成国からわかりやすく分析する!
新興国株が世界の株式の影響を受ける理由は、先進国の投資家が新興国株に投資をしていることが影響をしています。
一旦、危機が発生すると先進国の投資家はまずリスクの高い新興国株から資金を引き上げます。新興国のマーケットボリュームは小さいので先進国の投資家が引き上げると大幅に下落してしまうのです。
しかし、フロンティアキャピタルではまだ外国人投資家が本格的に参入していない成長力が高い魅力的な市場に先駆けて投資を行います。
筆者も投資ポーションの一部をフロンティアキャピタルに預け入れています。以下で投資手法について詳しくお伝えしていますので参考にしてみてください。
トータスパートナーズ
トータスパートナーズは未公開株に投資をするPEファンドです。先ほどお伝えしたハーバード大のポートフォリオでヘッジファンドにつぐポーションをしめていたものです。
未公開株というとベンチャーキャピタルを思い浮かべますが、PEファンドの主要な戦略はバイアウト戦略と言われるものです。
既に成熟している企業に投資をして、経営陣を送り込み経営改革を行い企業価値を高めた上で売却を行い大きな利益獲得を目指します。
特に日本では中小企業の廃業問題が深刻となっているので、廃業を救う社会的な側面も持っているファンドということができます。
まとめ
ヘッジファンドは海外を中心に広まっている先進的に投資手法です。
どのような相場環境でも収益獲得を目指す絶対収益型のファンドであり、一流のファンドマネージャーによって運用されています。
日本にも海外に決して負けない成績を残しているファンドが存在しており、堅実な資産運用を行う上でのパートナーとし注目度が増してきています。
2020年から投資先としておすすめできるファンドを収益性・安定性・将来性の観点から、ランキング形式で紹介しています!
参考にして頂ければと思います!